こども医療費支給事業
昨年10月診療分から支給対象を中学生まで拡大
本年度も引き続き実施
上尾市が実施する以前、つまり昨年10月までに埼玉県内52市町で中学生の入院まで無料、30市町で通院無料。むしろ上尾市は遅れていました。しかも、他市では実施している歯医者は上尾市では適応外。一番お金がかかる就学前医療は県がお金を出しています。
校舎改築事業・校舎大規模改造(耐震補強)事業
15億2067万円中、富士見小改築工事が13億8395万円、総額30億円を見込む工事。この地震の多いときに体育館の屋上にプールをつくる必要がどこにあるの? 授業がうるさいというのなら、プールの授業だけではないはず。敷地が広いのになぜ、安全上も問題では? 何に使うか決まっていない広大なフリースペースは工事費を大きくする為? 以前から建替え計画があったのに、なぜ補助金が少ない今なのか、今年度は選挙があるから…という巷の話が伝わってきます。
耐震補強が進むのは良い。06年大石消防署が複合施設になる時、学校の耐震化率28.7%と埼玉県内でも最低レベルであることを指摘し、複合施設の予算に反対しました。そんなお金があるなら、学校の耐震化を急ぐべきだと主張し、それから学校の耐震化工事が進むようになってきました。ひとつの学校にそんなにお金をかけるより、耐震化をもっと進めて欲しいと思います。文部科学省の本年度目標は85%ですよ。
東保健センター整備事業
埼玉県の保健施設がなくなるので、上尾市が跡地を買収し、東にも施設をつくる。でも県の施設を建てる時、市は土地を寄付している。お金をかけて買い戻すのは理不尽なことだと思いますが、県は払えと言っているそうです。不便な場所なので、周辺を整備する必要があり、経費がかさみます。
瓦葺コミュニティ施設整備事業
健康増進という目的で建てるのに、市民が思い思いに過ごせる施設という。これは何? 建物を建てることが目的ではないはず。健康増進の中身が問題。
外国語指導助手配置事業
全額、国からお金がでるので、どこの市でも実施しています。中小企業支援という名目で、市の委託事業者が引き続き仕事を請け負うのでは意味がない。上尾市は充分に公共事業を発注しています。雇用創出は相変わらず、短期雇用のみです。
各種予防接種の無料化は国の予算がついたので、ほとんどの市が実施します。
他市の独自政策を一部紹介します
▼所沢
国民健康保険料の課税率7.3%から6.5%に引き下げ(上尾市は7割の人が値上げです)
高齢者・障害者・子育て家庭など、全ての市民が安心して暮らせる社会をめざす総合福祉センター建設
▼春日部
親が市内に住んでいる場合、子どもが家を市内に購入すると不動産登記の半額補助
団地に大学生が住み、お年寄りの買い物手伝いや地域パトロールをすると家賃全額補助、通学費用半分補助
小学校の英語、理科、芸術文化活動に予算を投入、教育のブランド化を目指す
▼北本
市民税10%削減。中核保育所の建設。紙おむつ購入費用助成を倍に増額
国からたくさんお金が来た!それはどこへ?
何が増えているのか。建設事業は国や県から補助が出る補助事業と市独自の単独事業があります。どこの市も生活保護世帯の増加や高齢化社会の到来で扶助費が増加しているのが目につきますが、上尾市の場合、最も大きな伸びは市単独の建設事業です。
借金を前年度の8割減らし財政を健全化させた? その分積み立てた基金を減らしています。10億円ほど昨年より借金を減らしましたが、51億円ある基金を29億円以上取り崩します。
このやり方には反対です
基金は地震や震災など、非常時になくてなならないお金です。災害があったとき、国から予算はすぐには来ません。充分な費用も来ません。東北の震災を見ても、食事や医療などのお金を出しているのは自治体です。非常用予算を持っているかどうかは、市民の安全にとって決定的なのです。現在各自治体で被災者を受け入れていますが、その費用も全て受け入れ自治体予算で賄われています。国からの補助は一切ありません。関東直下型地震の確率が高い今、安易に基金を取り崩すべきではありません。これは市民の貴重な財産なのです。
この市政には知恵がない
教育費は学校工事費、健康増進は土地を買って建物を建てる、箱物建設には多大な費用を使うのに、それによってどのような政策を実施するのか、という中身がないのです。一生懸命中身に予算をつけようとしますが、この市政では理解されず、住民サービスと市民生活の質的向上に結びついていません。この市政で得をするのは誰か!
収入が減って困っている市民を助けよ!
上尾市の法人市民税は17.3%も増加。でも個人市民税は0.5%の減収が予定されています。市も市民の収入が減っていることを認識しています。国からたくさんお金も来て、予算もかつてない規模なのに、なぜそこに手を打たないのか。
例えば企業は前年度から売り上げが3~5%減ると融資が受けられますが、市民はボーナスが半分になったり、給料が減っても公的機関の融資はありません。家のローンや子どもの教育費で困る人が市に相談に行っても、市の制度はお粗末この上ないので、職員も市の制度を勧めません。もっぱら県の制度を使ってくださいと言っています。予算が増えたのですから、市民サービスも充実させるべきと強く主張しました。
市民生活を助けるためにお金を使うべき!
例えば、「こんにちは赤ちゃん事業」少子化対策、虐待防止に大きな成果があるとして国から実施が求められている事業です。上尾市はいつも通り近隣市より遅くスタート。保健師など専門職を配置するのが望ましいとされていますが、上尾市はそんなことにお金を使う気はなく、区長に誰が相応しいか聞いて、愛育班に決めたそうです。専門職を配置するより安上がりであることは間違いありません。区長は市から報酬を得て、市の政策に協力する義務があり、市の行政機関の末端に位置しています。「市民との協働」を名目に行政が実施すべきことを振り分ける傾向が、この市政にはあります。それは「市民との協働」などと呼べるものではありません。