お知らせ


地震、津波、原発事故の影響で一般質問は中止になりました。

 緊急なことで、みなさんにお知らせする時間がなく心苦しく思います。傍聴に来てくださった方、ありがとうございます。そして、お会いできずにごめんなさい。議会終了は3月23日ですが、議会の動きと私の対応について緊急にお知らせします。

 議会を続行するように、強く主張しました。なぜなら、この緊急事態に市民から付託された議員として、やるべきことがあるからです。当局の説明はわかりますが、後手にまわっていますし、事態の深刻さを理解しているとも思えません。他県、他市の情報収集をしても、対策を急がなければならないことばかりです。市民の安全の確保は緊急の課題なのです。しかし、議会は一般質問中止。全員協議会を開いて、議会のなすべきことを討議するべきと提案しましたが、市長派自民党会派「新生クラブ」18名と民主党会派「友愛クラブ」4名は反対でした。わざわざ当局のじゃまをすることはない。というのが主な主張。議会人としての自覚はないのでしょうか。多数決ではどうにもなりません。緊急に個人で、また会派として緊急ですが、当局に申入れもしました。

水素爆発した福島第1原発

原子力発電所の事故 放射能は微量でも危険

 水道水や源乳、野菜などから広範囲で放射性物質が検出されています。政府は「ただちに身体に害があるものではない」と繰返していますが、「ただちに害」があるとすると相当数の値になります。つまり被爆による死亡です。そんな値を基準に「心配はいらない」と言わんばかりの広報がされていますが、そんなことはありません。放射性物質は微量でも身体に入ると身体の中で放射線を出し続け、細胞を傷つけ続けます。1度体内へ入った放射性物質が身体を巡り、体外へ排出されるまで100日から200日と言われています。

 たとえばレントゲン写真1回分、CTスキャン1回分の放射線量という言葉で、心配することは無いかのように言われています。一日中レントゲン写真やスキャンを取り続ける人はいません。もし、20マイクロシーベルトの値の中で生活すると、一時間20×24時間で480マイクロシーベルトが一日の数値、年間数値は×365となります。

 瞬間のレントゲンやスキャンとその中で暮らし続けるということは違います。マスコミでは「国民に不安や動揺を与えない」ことを目的に、その手の学者を投入しているようです。幸いにも、さいたま市の放射線量は高くはありません。しかし、本当の事を把握して対処することをお勧めします。

原発周辺の放射線濃度が下がっても安心とは程遠い

 放射性物質は風で飛ぶことはあっても、消えることはありません。原発周辺の放射線の数値が上がったり下がったりしています。原発の中から出る放射性物質の量が増える、減るを図る目安にしているようですが、下がっているということは、拡散したということです。放射性物質は風下に移動します。風上に移動することはほとんどありません。雨が降ると地面に落ちます。薄まりながら拡散していきます。

 放射性物質は地球の外へ出ることはありませんから、世界中に満遍なく拡散していきます。その中で野菜に付いたり、動物や魚の体内に蓄積します。まず水や野菜など、付着しやすいものから検出されます。そして、野菜や草を食べる動物の中で濃縮され、高濃度になります。水が汚染されるとプランクトンからそれを食べる小魚、大型魚というように蓄積され、濃度は飛躍的に上がります。食物連鎖の最後に食べる人間への蓄積が一番多いとされています。「濃縮」と呼ばれています。大きな魚や大きな動物ほど濃縮が進むので、注意が必要になります。

 では、放射性物質はいつまで放射線を出し続けるのかということですが、放射性ヨウ素は8日ごとに発する放射線の量が半分づつ減っていきます(半減期)。放射性セシウムは2種類で、一つは約2年、もう一つは約30年です。原発から出る放射性物質は自然界には無いものが多く、1度体内に入ると様々な悪影響があるので、早く排出するか、影響を押さえることが必要です。チェルノブイリの時ヨーロッパで研究され、良いとされた食品は「味噌」でした。

 今、原発からは断続的に放射性物質が漏れ出しています。原発周辺の値は高く、作業は困難を極めているようです。埼玉では、飲料水から放射性ヨウ素が検出されています。今のところ原子炉の外にある使用済み核燃料は放水により安定しているようですが、中の燃料棒は溶解が心配される事態で、引き続き高い濃度の放射線が確認され、予断を許さない状況です。

 11日の地震、12日の原発事故の報道を見て上尾市には14日、担当部長に要請をしました。

●学校は、大きな原発事故に備え、子どもを一刻も早く帰宅させる準備をすること。
●子どもは、屋外に出さないよう、家庭も含め通達すること。
●水がすぐに汚染されてしまうので、川から摂取している県水を止め、地下水のみの運転とすること。

 全員協議会の提案が実現せず、16日に無所属の会、市民の力として以下の要望をしました。

茨城県で避難住民に放射線量の高い住民が発見されている。栃木県でも住民の受け入れに際し、放射線量の測定をしている。すでに上尾市は受け入れを開始しているが、体制はどうなっているか。県に問合せ適切な処置をするように。もし、放射線量が検出される被災者には、着替えを準備する。シャワーが使える場所を用意するなど適正な処置をすることが必要である。

●停電情報など情報は区長にもすみやかに伝達すること
●情報はホームページでも公開すること

 事故の状況にもよりますが、大きな事故があったときは大きな放射性物質のかたまりが外に出ます。それが薄まりながら拡散するので、風向きと気象状況が決定的です。政府が検出する放射性物質の種類と詳しい値を発表することを望み、他市議員に呼びかけ運動していこうと準備しています。

食品の放射能汚染問題は私の地域活動の原点でした

秋山かほる

 私の初めての子どもが1歳になったばかりの時、チェルノブイリの事故があり、8千キロ離れた日本にも放射能が降り注ぎました。それ以降、食の安全に気をつけるようになりました。上尾に来て子育てをして、自分だけがわかっていたのではだめ、せめて子どもの周りのお母さんには理解してもらわねば、子どもが孤立してしまう。そのことに気づき外への運動を始めました。広川さんのチェルノブイリの子ども達の写真展をコミセンで開きました。

 原発事故があると経済に打撃を受け、政府にお金もなくなります。事故後まず、ガンや白血病が子ども達に横行していきました。チェルノブイリの子ども達は医療品も足りないなか、ガンの痛み、その苦しみに耐えられず、部屋中の壁をかきむしり、爪がなくなったと報道されていました。なすすべもなく、それを見ている母親は子どもが息絶えた時、その苦しみから解放された子どもの死に顔を見て涙していました。

 子ども達をこんな目に合わせてはいけない! その後、微量放射線が人体にどのような影響を与えるか世界的な権威であった市川定夫先生を招き、コミセンで講演会を開きました。今埼玉大学の学長なので、この地位を捨てて世に警笛をならすことは無いでしょう。微量放射線でも子どもへの害は大きいです。

白煙を上げる福島第1原発

 福島原発の事故が発生した時、私は議会中で、問合せがあった人たちには、すぐにお知らせしました。大事故の時に逃げられるよう、ガソリンを満タンにすること。放射性物質はすぐ水に出るから、ありったけの水の汲み置きをすること。子どもを外に出さないこと。透明な頭からかぶれるビニール袋をたくさん用意すること、などです。

 今、原発の様子を見守っています。事故隠しで有名な東京電力がもう隠しようもないほど、事故は進みました。発電所は見る影も無く、瓦礫の山のようです。福島原発は本来危ないのです。三陸では、明治にも地震で20m以上の大津波が発生しています。全ての指摘を排除して、あそこに原発を建てたのは東京電力です。

 「原発は安全で事故は起こりえない」これが悲劇の始まりです。だから、何の準備もしていなかったのです。地震と大津波は天災です。しかし、原発事故は人災です。東京電力と政府は、農家や漁業関係者にどう保障するか、早く出すべきです。そうでなければ、危ない食品は市場に出回る恐れがあります。農家も漁師も食べていかなくてはなりません。

 上尾市は事故を起こした原発から約200キロほど離れています。大きな事故があった時、風向きと強さにもよりますが、用心して、10時間から20時間後には来ると見ています。上尾市は図の通り、全員退避の地区になる恐れがありますが、狭い日本で地震と津波の後で、政府がその体制をとるか大いに疑問です。費用もかかります。現在も国際的に常識ある地域政策を実施しているとは思えません。最低1週間は外にでなくても済む体制をとることをおすすめします。外へ出るときは透明ビニール袋をかぶりその都度、屋外で捨てることをおすすめします。

秋山かほる